労働生産性を高めるために必要な事
こんにちは。
2日間にわたり「非正規労働」「購買力低下」をテーマに記事にしてきました。
その中で、「現状を打破する方法は、生産性を向上することです」と書きました。
本日は、労働市場の面からみていきたいと思います。
まずは日本の労働生産性についてです。
日本生産本部の資料から見てみます。
■日本生産本部が発表した「労働生産性の国際比較 2019」からの抜粋です。
https://www.jpc-net.jp/research/list/pdf/comparison_2019.pdf
よく言われることですが、日本の生産性はバブル経済に向けて、一時上昇しましたが、その後は低下しており、1970年から横ばい傾向であることがわかります。
また、経済成長の伸びは、就業者数の増加分と生産性の向上に分解することが出来ますが、その要因を見ると次のようになります。
■日本生産性本部が発表した「日本の労働生産性の動向 2019」
https://www.jpc-net.jp/research/list/pdf/trend_trend2019_full.pdf
1995年から2000年代前半にかけては、労働生産性は上昇傾向にありますが、2000年代後半以降はマイナスもしくは微増にとどまっており、就業者数の増加によるものであることがわかります。
その結果として、賃金の上昇は緩やかなものとなり(最低賃金は上昇するものの、現金給与はむしろマイナス)となっています。
■厚生労働省資料「近年の経済成長率と賃金上昇率の動向」より
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-
賃金が上昇しない理由としては、様々な分析がありますが、労働生産性が上がらない事は一因と言えそうです。
では、その労働生産性をどのように上げていけば良いのでしょうか?
それには、労働市場の流動化が必要であると考えます。
日本の労働市場は「新卒一括採用・終身雇用制度・年功的賃金」によって固定化されています。
長く勤めることが美徳であり、転職を繰り返すことは辛抱が足りないと言われます。そのような中で人が固定化されるということは、新たな産業の成長につながりません。
現在の日本の中心となっている産業は、1970年頃から大きく変わっていません。実際に、アップル・Amazon・TikTokなども日本の企業ではありませんし、金融サービスを見ても、国の金融インフラの整備も不十分で、世界的で高効率な金融サービスを提供する企業は存在しません。
ニワトリが先か卵が先かという話しではありますが、新たな産業の育成にとっては、優秀な人材が流入していくことが必要であり、そのことでより労働生産性が高く、高い賃金支払い能力のある産業・企業が成長することになるのです。
では、労働市場の流動化に必要な事とは何でしょう。新卒一括採用の廃止や、解雇を容易にすることなどが言われています。
私は特に職能的な賃金評価制度の変更が必要であると考えています。
長期雇用慣行の下での職能制度は、自分の仕事を選べないため、長期的なキャリアを描くことが困難になります。
明日は少し別の話題を取り上げさせていただき、
明後日は、職能給と職務給について書きたいと思います。
本日は以上です。
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