会社が行う制裁について(解雇が有効なのはどんな場合?)についてお答えします
こんにちは。
会社が行う制裁について(解雇の有効性)についてお話をします。
私がこの記事を書こうと思った理由は、先日公務員の不祥事や(詳細のリンクを貼りたかったのですが、見つけられませんでした)や黒川前検事長のニュースに触れたからです。ニュースのコメント欄では、なぜ解雇しないのか?退職金までもらってとんでもない!といったコメントが並んでいました。
今日の記事は、そのコメントに対する意見を述べるものではありません。そのように思う感情は理解できます・・・・
ただ、企業が労働者を安易に解雇することは、生活の安定が図れないことや、恣意的な運用につながりかねないため、その権利は大幅に制限されています。
※厳密にいうと、公務員は労働基準法の対象外であり、国家公務員法や地方公務員法の対象です。(労働基準法の一部は適用されます)
では、会社が行う制裁はどのような場合に有効なのかについてお話をしていきます。
まず、労働基準法第89条に以下の定めがあります。
(第89条 就業規則の作成及び届出の義務)
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
この”次に掲げる事項”の中に、
「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」
とあり、会社が従業員に対して制裁(減給・停職・降格・懲戒解雇など)を行う場合には、その理由や程度をあらかじめ就業規則に明示しておかなければならないとされています。
また、その内容は社会通念上認められるものでなくてはなりません。重すぎる制裁は、会社が訴えられる可能性もあるのです。
特に解雇については、最も重い制裁になりますので、
労働契約法16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
と解雇を行うことに制限を設けています。実際に、解雇を無効とする判例も多くあります。
また退職金についても、
- 功労報償的性格
- 生活保障的性格
- 賃金後払い的性格
が組み合わさっているものとされています。
そのため、解雇に至った理由がこれらすべてを失わせる程度の内容なのか?が議論になります。
会社の規模が大きくないうちは、ある程度経営陣の恣意的な運用による、制裁が行われるケースがあると思います。
また、家族的な経営がなされているうちはそれでも通すると思います(少なくとも社内では)
企業がある程度の規模になると、モラルハザードの原因にもなりますので、見直すことで、企業のガバナンスをワンランク上げる必要も生じます
本日は以上になります。
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