雇用調整助成金(更なる制度の拡充)について
こんにちは。
本日は「雇用調整助成金の受給額の上限が引き上げられました」についてお話をします。
6月12日に二次補正予算が成立し更なる特例が発表されましたので取り上げます。
また、雇用調整助成金については、こちらにリンクをまとめています
hide-syaroushi-shinndannshi.hatenablog.com
今回の新たな特例は次の通りです。
- 受給額の上限を15,000円に引き上げ
- 解雇等をせず雇用維持に努めた中小企業の助成率を10/10に引き上げ
- 特例期間が6月31日までだったのを9月30日まで延長
- 既に申請済み・受給済みの申請も遡及して対応
- 緊急雇用安定助成金にも対応
■受給額の上限を15,000円に引き上げ
なぜ、今回引き上げが必要になったのか?
【雇用保険法第1条】
雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか・・・・・・
とあります。”必要な給付”とは、次の就職策が見つかるまで、必要な生活費を保障する観点ですね。ですから、1日あたりの上限を8,330円としていたわけです。
次の就職先が見つかるまでのつなぎであり、生活保障ですから、あまり多いと制度の趣旨に反します。
ところがコロナ禍の中で、これまで考えられないような広さで多くの業種に影響が出ている為、上限が8,330円では多くの人の生活が破綻し、更に経済が悪化します。
また、この助成金は企業に支払われるものなのですが、多くが上限に達してしまう結果となり、企業の経営がより厳しくなってしまいます。
そこで、従来から上限引き上げを求める声が多くありました。これを今回15,000円まで引き上げることにしたのですね。
そのほかにも、次の様な拡充が行われました。
■解雇等をせず雇用維持に努めた中小企業の助成率を10/10に引き上げ
新型コロナウイルスの影響は大きく、内部留保の少ない中小企業にとって、休業手当の支給は大きな負担となります。今回は助成率を10/10とすることで(平時は2/3)
負担を少なくし、中小企業の事業の継続と働く人の生活を守ろうとしているのですね。
■特例期間が6月31日までだったのを9月30日まで延長
新型コロナウイルスの影響は7月以降も続くと考えられることから、期限が延長されました。
■既に申請済み・受給済みの申請も遡及して対応
雇用調整助成金は度重なる簡素化・特例の拡大が行われてきました。変化があまりにも度重なるため、いつ申請できるのか?専門家の間でも分からなくなるほどでした。
今回、上限額が引き上げられましたが、過去に申請済みのものについても、遡及して対応することになりましたので、再申請は不要です。
ここで注意
上限額と助成率の引き上げにより、すでに休業手当を60%支払い済みだが、これを機会に100%支払うことにしたい!と考える企業もあると思います。この場合は、申請済みの遡及対象とはなりませんので、別途差額の支給申請が必要です。
■緊急雇用安定助成金にも対応
雇用保険被保険者でない労働者への休業手当の支給についても、助成金の対象ですが、こちらも15,000円に引き上げられます。
本日は以上です。
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