働き方改革関連法②(終身雇用制とその功罪)
こんにちは。
働き方改革関連法についてシリーズで記事にしています。
働き方改革法案を理解し、将来を見通すためにはその背景を知る必要があります。
そこで、前回取り上げた記事の中から、旧来の日本型の雇用システムについて取り上げます。
本日は、終身雇用制度についてです。
終身雇用制度をWikipediaでは、
同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行である。長期雇用慣行(ちょうきこようかんこう)ともいう。
と定義しています。
1900年代の初期は、より高い賃金を求めて、転職が頻繁に行われていたようです。急速に進む工業化の中で、熟練工を長期に渡って確保する必要性に迫られた企業は、終身に渡る雇用(実際には定年まで)を約束しました。
その代わりに、労働者は若年期には比較的安い賃金で働き、年齢を重ねたり”働きには関係のない要素”である、家族が増えるなどした場合に、賃金が上昇していくことを受け入れ(年功序列型賃金は後日取り上げます)ます。
また、退職金や賞与といせった、賃金の後払いともいえる仕組みは、長期間にわたって企業に在籍する意味を高め、終身雇用を更に強化することに役立ちました。
ところが、高度成長期が終わり、世の中のニーズの変化が非常に早くなると、入社から30年~40年もの間、雇用を約束することが難しくなったのです。
会社がその間、存続できるかという問題もありますし、もし存続できたとしても、入社時と、会社の収益の源泉が異なっている場合もあります。
すると、求められるスキルも異なり、人を入れ替える必要も生じます。
このような状況下では、企業は終身雇用の約束が出来ません。
ところが、日本では『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、その権利を濫用したものとして無効とする』とする解雇権濫用法理があり、解雇をすることが非常に困難になっています。
また、本来であれば短期間の就業を前提とした、『派遣』や『有期雇用』の場合であっても、『雇止め』や『派遣切り』といって批判されるのです。
このような中では、企業は賃金を抑えることで雇用を維持せざるを得ないのが、現在の日本の状況です。
無駄に人を雇用している状態になりますので、生産性も上がらないのです。
本日は以上になります。
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