パワハラと疑われる事象が発生した場合(会社側からの視点)
こんにちは。
昨日はパワハラと疑われる事例が発生した場合について、労働者側からの視点で見ていきました。
しつこいようですが、あるがままの事実を固めておくことでした。
では、会社にパワハラを疑われる事象の訴えがあったときや、パワハラが行われている可能性に気づいた時、どのように対応すればよいのでしょうか?
対応方法に入る前に、日ごろから行っておくことからお話をしたいと思います。
【日ごろの発信と規定】
まず、会社は日ごろからパワハラ行為は、懲戒も含めた厳しい対応を行うことを周知しておくべきです。また、実際に発生した場合には、厳正に対処するべきです。
そのためには、就業規則に懲戒規定として整備しておきます。また、相談窓口を設置しておくことも重要です。(その理由は後ほど)
一方で、仕事上の管理や指導は必要な事ですし、その立場にある人を無実の罪から守ってあげられるのも、会社しかありません。このスタンスは忘れてはなりません。
【訴えの発生】
もし訴えがあった場合は事実を確認します。
いきなり、パワハラをしていた”らしい”人に、「ふみおさん(仮名)ゆきひろさん(仮名)にパワハラやってないだろうな」と確認するのは最悪の方法です。
次の日から、更に悪質化します。。。。
では、どの順番で確認を進めれば良いのでしょうか。
【事実確認の順番】
事実確認は次の順番で行います
- 訴えをした人に確認
面談を行う場所は配慮します。場合によっては、会社外で場所を設定します。
可能な限り、事実を聞き出します。大概は本人の受け止めや、気持ちを話してきます。
まずは、それを聞きます。相手の気持ちに同調しながら、ひとまずは話し終わるまで、時折内容を確認しながら話しを聞きます。
一通り話が終わったら、ひとつずつ詳細の確認をしていきます。実際にどのような言葉だったのか?周りで聞いていた人はいるのか?何か記録のようなものはあるのか?どうしてほしいのか?
また、周りで聞いていた人がいる場合は、限られた人に事実を確認しても良いか?パワハラを行った本人に事実確認をしても良いかを確認します。
その場では、どのような対応を行うかは約束せず、話をしてくれたお礼を述べて終了します。
- 周りの人に確認
周りの人への確認は、限られた人に行います。(噂にはなるでしょうが)話が広まらないように配慮します。実際に見聞きしたことや、他に被害者入るのか?周りで聞いていても、パワハラと感じる言動か?について確認を行います。今日の確認のことは、周りに話をしないことを約束させて、終わります。
- パワハラを行った(かも知れない)人への確認
まずは、軽い雑談から始め、部下への指導方法について話をします。その後は、本人・周りの人への確認で得た情報から
出来事としてあったのか?→指導内容は?→どのような思いだったのか?→発言や行動は?について確認していきます。
ある程度確認が進んだら、相手が受け取った感情→本人が聞いた発言・行動→周りの確認から得た内容を話し、事実を聞き出していきます。
話しの途中では、パワハラに対する会社の厳しい姿勢は見せません。話してしまえば、発言を控えることになります。
そして確認した内容を繰り返し、間違いがないかを確認します。
【事実に基づいた処分】
必ず、事実に基づいた公平な処分を行います。
パワハラの黙認は「これまでの指導方法に間違いはなかった。会社から承認された」となり、更に悪質化します。
事実がパワハラに該当しない場合でも、双方に説明します。
《相談窓口について》
相談窓口を設けることは、社内で解決することに役立ちます。
実際にパワハラが行われていても、行われていなくても、外部への情報流出は会社にとってダメージになります。音声などがデジタル情報の形で、SNSなどで拡散されると、消すことは非常に困難になります。
そこで、お勧めしたいのが、相談窓口の設置です。公平な立場であることが求められますから、大企業であれば専門の窓口を設置することも可能でしょう。もし、難しいようであれば、そういった対応を行ってくれる顧問社労士を見つけ、そこに相談窓口を設置することもお勧めします。(第三者が入ることで、公平な評価につながり、双方の納得性を高めます)
設置したら、従業員に周知します。
本日は以上になります。
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