ひでのつぶやきブログ

社会保険労務士・中小企業診断士(見習い)が自分の考えをただまとめるだけのブログです

なぜ自動車の値段は高く感じるのか

こんにちは。

本日は自動車の値段は高く感じるのか?について取り上げます。

そして、最後に昨日の記事の続き、若年層を中心とした低所得化の話につなげたいと思います。

 

自動車は近年世界で約9500万台販売されています。

 

日本では、若者の車離れと言われて久しいですが、今でも魅力的な製品の一つであり、年間500万台を超える自動車が販売されています。

産業としてすそ野が広く、日本の主要な産業の一つであり、トヨタ自動車は世界2位(1位になったこともある)のメーカーです。

f:id:hide-syaroushi-shinndannshi:20200714162930p:plain

そのような理由から、新聞や雑誌・インターネットの記事になることも多く、ネットのコメントを見て、気になることがあります。

 

 

20年・30年前と比較して、価格が高すぎる。魅力的な車が無い。軽自動車なのに250万円!自動車メーカーは国内のユーザーを見ていない。そんな言葉が躍ります。

f:id:hide-syaroushi-shinndannshi:20200714164039p:plain

一体何が起きているのでしょうか?

自動車はグローバルマーケットで販売される製品です。世界中のメーカー間の競争にさらされている一方で、競争に勝つことで世界のマーケットに製品を届けることが出来ます。おのずと、価格も世界標準の価格となるわけです。

 

それを購入する際には、その国に住んでいる人々がその収入から支払うわけです。

 

そこで、一人当たりGDPを見てみましょう。以下の記事からの転載です。

ecodb.net

f:id:hide-syaroushi-shinndannshi:20200714204402p:plain

2018年日本は26位です。

 

また、ドル換算した場合の1990年→2019年の変化を見ると(いずれも単位USドル)

f:id:hide-syaroushi-shinndannshi:20200714212220p:plain

となっており、日本の増加率が他国に比べると低いことがわかります。

 

そうすると何が起きるかと言いますと、相対的に日本は貧困化していることになります。他国の消費者は、車の値段も上がっているが、収入も上がっているために、購入しやすくなっている一方で、日本の消費者は高価格化していて買えないとなってしまうのです。

 

2017年に厚生労働省が取りまとめた、家計所得の分析に関する報告書の中に記載されている「世帯主年齢階級別の等価可処分所得」を見ると

f:id:hide-syaroushi-shinndannshi:20200714213054p:plain

可処分所得は1985年頃から一旦伸びを見せるものの、その後落ち込んでおり、ほとんど伸びていないことがわかります。

 

以上のことから、日本がグローバルマーケットの中で、次第に購買力を失ってきていることがわかるでしょう。

 

このことが、自動車の価格が高くなっていると感じる原因となっているのです。

 

最後に昨日の記事のに書いた若年層の低所得化についてです。

これまでもお話をしてきたように、日本はかつて年功的賃金と終身雇用制度を採用してきました。労働基準法判例により、労働条件の不利益変更は簡単には出来ませんから、年齢が高い層の賃金は大幅に下げることは出来ません。

 

そこで、企業は成果給制度導入による、実質的な賃金引き下げや、組織のスリム化による、ポスト不足に起因して、賃金上昇カーブが緩やかになる事で、賃金の引き下げを行ってきました。

また、大企業においては子会社設立によって、若年層を低い賃金で雇い入れることも行っています。

 

結果として、若年層ほど賃金低下の影響を大きく受けてしまう構造になってしまっています。

 

明日は、賃金を高めるために必要な「労働生産性を高めるために必要な事」を記事にします。

 

本日は以上になります。

私の大切な診断士仲間のブログもお読みください。

中小企業診断士けんけんの部屋

(見習い)中小企業診断士こなんのリアル

四十で惑わず、五十にして天命を知る

 

クリック↓していただけると励みになります

にほんブログ村 士業ブログへ
にほんブログ村