経営理論に関する基礎知識~ドメインの定義~
こんにちは。
本日は経営理論に関する基礎知識から『ドメイン』について取り上げます。
以前に『経営理念』について以下の記事を書きました。
経営理念が明らかになることで、経営ビジョン・経営戦略を決定することが出来ます。
経営戦略の中でも、事業領域のことを『ドメイン』と言います。
ドメインを明らかにすることで、企業で働く従業員のみならず、消費者や取引先・株主などのあらゆるステークホルダーに、自社の生存領域を明らかにすることに役立ちます。
そして、それに共感する消費者を誘引し、取引先の協力を引き出し、株主に将来の事業継続と成長を想起させ、出資を促すことにつながります。
このドメインの範囲を設定する場合には、『物理的定義』と『機能的定義』のいずれで行うのか意識することが重要です。
物理的定義
『モノ』を中心にドメインを定義します。
自動車製造業者が自社のドメインを『環境にやさしい自動車の製造』とするような場合がこれにあたります。
ドメインの範囲が比較的狭いため、事業活動の範囲が明確になりやすく、ステークホルダーの耳目を集中できるメリットがあります。
一方で、現在の領域を超える発想は出にくく、保守的になりがちです。
機能的定義
『コト』を中心にドメインを定義します。
自動車製造会社が自社のドメインを『より便利でエコなモビリティーサービスをより多くの人に』とするような場合がこれにあたります。
ドメインの範囲が比較的広くなるため、将来に向けた発展を想起させます。
一方で、ドメインが抽象的になるため、ターゲットとなる顧客や獲得すべき経営資源の方向性がわかりにくいため、分散しやすくなります。
事業活動の現状はドメインとあっていますか?
事業活動の現状(将来に向けた活動を含む)がドメインとあっていない場合は、注意が必要です。あっていない場合は次のようなことが起こりえます。
- 一般の従業員は自分たちが、一体どこに向けて活動を行えばよいのか不明確になります。
- 意思決定を行う管理職は、何を基に意思決定をすれば良いのかわからず、一貫したものになりません。
- 取引先は、この企業が欲しい情報や資源がわからず、効率が悪い物になります。
- 株主や金融機関は、必要な資本量とそれを活用した将来の成長性がわからず、投資判断が困難になります。
このような事から、ドメインの定義を見直すことは重要です。創業時の想いを重要視するあまり、一度も見直されていないような場合もあるかと思います。
見直しの是非を判断するためにも、自社のドメインを検討してみましょう。
本日の記事は以上になります。
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