経営理論に関する基礎知識~企業戦略~
こんにちは。
本日は、経営理論の基礎知識(企業戦略)について記事にします。
企業戦略とは、企業が持続し、継続的な成長をしていくために
- どの領域で事業活動を行うのか?
- 限られた経営資源をいかに配分するのか?
などを決定するための指針となるものです。その為には、経営理念や経営ビジョンを明らかにすることから始める必要があります。
経営理念では『その企業が何のために存在するのか?』を明らかにします。抽象的で、目指す理想を表現する場合が多いです。
経営ビジョンは、経営理念で掲げた理想を、どのように達成していくのかについて明らかにするものです。
実際に企業が掲げている経営理念を見てみましょう
◆初めにトヨタ自動車の経営理念です。
- 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
- 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
- クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
- 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
- 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
- グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
- 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する
いかがでしょうか?
トヨタ自動車の経営理念には、『自動車』や『モビリティー』といった言葉は一切出てきません。『最先端技術の研究と開発により、世界中のお客様の要望に応える魅力ある製品・サービスを提供する』となっていますので、
対象市場は世界であり、モノづくりだけではなく、サービスの提供を行っていくことが明記されています。
また、社会・地域・労働者などに対し、グローバル企業として・社会の一員として、責任を果たしていくことを宣言しています。
◆次にモノタロウの経営理念です
当社グループは、「資材調達ネットワークを変革する」を企業理念として掲げ、事業者を取り巻く資材調達環境をインターネット等のIT技術で変革することにより、株主を含めた全ての利害関係者の期待と信頼に応え、継続的に企業価値を向上させていくことを経営の基本方針としております。
資材の調達は、従来は『御用聞き』に代表される、地場の卸が中心でした。取り扱い商品にも限りがありますし、人手を介すことで高コストな業界でもありました。
その『資材調達』をIT技術で変革していくことを掲げています。
『資材調達』に限定することにより、経営資源を集中することに成功しています。それにより、対象顧客が明らかになり、AmazonやASKULとの差別化にも成功しています。
このように、経営理念を明らかにすることで、
- どの領域で事業活動を行うのか?
- 限られた経営資源をいかに配分するのか?
が明らかになり、それが企業戦略となります。
企業戦略に近い言葉で、事業戦略があります。
複数の事業を営んでいる会社の場合は、それぞれの事業ごとに事業戦略があり、単一事業の場合は、企業戦略=事業戦略となります。
ただし、事業戦略策定においては、対象市場の動向や競合などを分析した上で『いかに競争優位性を発揮して事業を継続するか』を明らかにしなければなりません。
本日は以上です。
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